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我々は外資に負けなかった―旧東京銀行の挑戦

我々は外資に負けなかった―旧東京銀行の挑戦

人気ランキング : 200,066位
定価 : ¥ 1,890
販売元 : ISコム
発売日 : 2001-12

価格 商品名 納期
我々は外資に負けなかった―旧東京銀行の挑戦

   1960〜80年代の、旧東京銀行員の奮戦記。旧東京銀行が欧米の投資銀行と張り合い、為替取引や債券発行など特定の分野ではマーケットをリードしたこともあったという歴史を知ることができる。全体として「日本の金融機関に優秀な人材がいないわけではない、悪いのは経営だ」というメッセージが繰り返し主張されている憂国の書ともいえる。旧東京銀行から転職して、リーマン・ブラザース証券会社会長にまでなった津川が、他の成功組とともにまとめているため、銀行関係者や金融機関への就職を考えている学生にとって参考になる点が多いはずだ。    ただし、読み進めていくと、「外資には負けなかった」というタイトルはちょっと誇張ぎみではないかという印象を受ける。多胡(たこ)による「ゲリラ証券業務の栄光と挫折」にあるように「サイパン島にたてこもって、B29を竹槍で叩き落とすような戦いの繰り返し」であり、知恵を生かしてがんばっていたというのが実態なのだろう。    各章が旧東京銀行外資転職組による体験記となっており、旧東京銀行がいかにも良い銀行であり、他の日系企業はダメだった、ととられかねない表現が散見される。他の邦銀はもとより東銀関係者以外には鼻につく部分もあるだろう。ただし、そこを堪えて読み進めれば、当時の東京銀行の自由闊達(かったつ)な雰囲気と人材育成法を知ることができる。できれば、旧東京銀行で海外にいたものの、合併後も現在の東京三菱銀行に残っている人からの言葉があればバランスがとれてさらによかったのだが、無理な相談だろうか。    また、倉都による「若手海外派遣という劇薬」では、海外派遣制度を劇薬と表現している。海外に出すことで、優秀な人材を育成することができるが、海外でまともな経営を見てしまったものは、東京銀行のそれに失望して転職していった。旧東京銀行に限らず、同様の転職組が外資系金融機関の活躍の中心となっているという事実を考慮すれば、経営者にとっての宿題は重いと言わざるを得ない。(河野幸吾)

勝てなかった理由は

 元東京銀行の人達の奮戦記である。「外資に負けなかった」と言ってはいるのだが、それはやはり局地的だったような気がする。確かに、外為業務や証券業務の一部で世界のトップレベルにいたことは間違いないと思う。しかし、なぜそれを今日まで維持できなかったのだろうか。
 ひとつの理由は、経営陣がこれら、従来の銀行業務(融資や預金)とは異質の業務の意義を見抜けなかったことらしい。だが、本書にしばしば登場する高垣氏(後の頭取)はその意義を理解しながらも、なぜ三菱銀行との合併を選んだのか。新規業務を専門とした子会社を残す道はなかったのか。行内からそういう声は起きなかったのか。いろんな疑問がわいてくる。
 この本から、「外資に勝てなかった」理由を見つけていくことが、日本の金融の現状を打開することにつながるかもしれない。

金融業界に元気の無い今だからこそ読む本

今回この本を読んでみて、当時国内の株式個人営業の世界に没頭していた時代に、世界を相手に戦っている銀行マンが存在し、そのアイデア力で彼らに打ち勝っていた事実を目の当たりにして日本人として誇りに思うとともに、その後の合併統合を経て、あっという間に世界の銀行の劣等生になってしまった日本の銀行界を見るにつけ、原因はなんであったのだろうかと自問するのである。僕が思うのは個々人が判断する機会を失い集団という隠れ蓑の中に埋没していったのが最大の原因ではないかと思う。自分自身で判断するという相場や市場の反射神経とも言うべき力は経験無しでは育たない。失敗を許し敗者復活の中に成功への鍵が眠っているのだ。大量の人材の中から適材適所を把握し実行することは難しい。少数精鋭の中から適時的に戦力が育つものである。国際金融界では新しい発想が必要とされる局面が多い。そうした実践の記録がキラ星の如く散りばめられた本書は表紙の地球を輝かすだけの人間たちの汗と涙の結晶が満載されている。単なる回顧録というよりも現代の日本金融界のバイブルとしてもう一度日本人に自信と勇気を与えるものである。



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